私の神崎さんとの出会いは、札幌パルコで催されていた「つながる市」で、アロニア神崎さんから商品を購入したことがきっかけでした。
当初、アロニアという農産物について全く知識がなかった私は、その効能について説明を受けても半信半疑でした。 アロニアはアントシアニンが豊富で抗酸化作用があり、毛細血管の血流を改善する効果があり、目に良いとされていることを聞きながらも、実際にどれほどの効果があるのか疑問でした。
そこで、生食では渋みが強いアロニアを冷凍すると渋みが和らぐとのアドバイスを受け、冷凍アロニアとドライアロニアを試しに購入しました。
冷凍アロニアはそのままでも良いとのことでしたが、ご飯に入れて一緒に炊くと美味しいと教えてもらったので、その通りに試してみると、驚くほどの美味しさに出会いました。
果実のようなフルーティーさはなく、赤飯のようにご飯全体が濃い赤い色に染まり、アロニアの実はふわふわに柔らかく、渋みもなく非常に食べやすくなりました。
この美味しさを多くの方に知ってもらいたく、翌日には突然神崎さんに電話しました。感想とお礼を伝えると同時に、「アロニアを販売させてもらえませんか?」とお願いしました。神崎さんは二つ返事で「いいですよ」と快く応じてくださいました。
アロニアへの想い
伊達市でアロニアの栽培を始めて25年、神崎さんは日本社会がますます本当に優れた食品が入手しづらくなると感じ、農業に携わる決断をしました。
神崎さんのアロニア農家としての道のりは、北農研で働く友人から廃棄されるアロニアの苗を譲り受けたことから始まりました。 3000本のアロニアの苗を受け取り、そのうち1000本を周辺の農家仲間3軒に提供しました。 残りの2000本の苗は神崎さんご自身で育てることになりました。
現在ではアロニアが少しずつ注目を浴びつつありますが、当初はアロニアを知る人はほぼいなかったとのことです。
アロニア栽培の知識も皆無でしたが、神崎さんは北海道の伊達市からアロニアを広め、盛り上げる使命を感じました。
アロニアの栽培を始めた当初から「北海道アロニア研究会」に加入し、現在では勉強会の講師も務めています。 神崎さんは週末には積極的に札幌でのイベント出店をこなし、ほぼ毎朝は伊達市の道の駅にアロニアを納品しています。
神崎さんはひとりでも多くの方にアロニアの価値を知ってもらいたいと願っており、そのために一般的な野菜も育てています。 マーケットなどのイベント出店時には、野菜を通じてアロニアに興味を持ってくれた方にアロニアをおすすめしています。
現在では、毎月40本ものジュースを購入してくれるお得意様もいらっしゃいます。
アロニアにはアメリカ種とロシア種の2種類がありますが、神崎さんが育てるアロニアはロシア種です。
神崎さんの信念は「本当に優れたものの価値を自分自身で生み出していきたい」というもので、 現代の日本では本当に優れた食品が入手しにくくなっているため、価値あるアロニアの生産を続けています。
実は神崎さんは大阪の中心地である京橋出身です。 都会での生活は便利ですが、失うものが多すぎると感じ、北海道へ移住されました。 現時点では神崎さんのアロニアを受け継ぐ方は決まっていないそう。
しかしながら、神崎さんは「なるようにしかならない」と明るく仰います。
また、神崎さんとの出会いがsinritを始めるきっかけとなり、 神崎さんの生き様から「本質」や「根幹」といったキーワードが浮かび上がり、アイヌ語で「根幹」を意味する「sinrit」という事業名につながりました。 神崎さんのアロニアは一番皆さんに知っていただきたい商品です。 ぜひ、おためしください。