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日本は米不足に?米がなくなると言われる原因と価格高騰への対策とは?

日本の食卓に欠かせないお米。しかし、2024年の夏、各地のスーパーからお米がなくなり、買えない状況が続きました。

「米がなくなる」という懸念が広がり、将来米不足になるのでは?と考えている方も多いかと思います。

 

本記事では、実際のデータを元に米不足の背景やその原因、また価格高騰への対策について私達消費者ができることについても解説します。

本記事を元に今からできる行動をしていきましょう。

 

「米がなくなる」と言われる原因とは?

白米の画像

お米がなくなると言われている原因として、大きく以下の3つが関係していると言われています。実際のデータを元に解説します。

 

異常気象の影響

お米が不足している要因は異常気象が挙げられています。

猛暑、冷夏、豪雨などの異常気象が続くことで、米の収穫量が大幅に減少する事例が増加しています。

特に、気温が高すぎると米の実が太りにくくなるため、品質の低下や収穫量の減少を招きます。

 

米の生産量の減少

米の生産量は年々減少傾向にあります。

農林水産省のデータによると、令和5年度は令和4年度と比べ10万トン以上も生産量が減少しており、今後も減少することが見込まれています。


米の生産量のグラフ

画像およびデータ引用元:農林水産省

 

農業人口の減少と高齢化

人口減少や高齢化も課題とされています。

稲作単一農家さんの平均年齢は70歳を超えており、高齢化が進んでおり、米不足と言われている要因の一つです。

一方法人においては50歳以下の人口が5割程度と比較的若い方も従事していることが伺えますが、全体を通しても高齢傾向のため将来的に米不足の一因となる可能性の一つとされています。


米農家の人口のグラフ

画像およびデータ引用元:農林水産省

 

米不足の歴史について

1993年の「平成の米騒動」
1993年に日本は冷夏の影響で深刻な米不足に見舞われました。

この年の米生産量は過去最低を記録し、国内の需要を満たすためにタイやアメリカから米を緊急輸入しました。冷夏の原因としてピナトゥボ火山の噴火や、エルニーニョ現象などが要因と指摘されており、異常気象が米市場に与える影響の大きさを改めて認識させられた大きな騒動となっています。

 

政府の備蓄制度

上記の「米騒動」をきっかけに政府は災害時に備え備蓄米の制度をつくっており、年間100万トンを目標として備蓄しています。

しかし、数に限りがあるため米の不作に加え災害などが重なった場合など、十分な供給を確保できない可能性もあります。

 

米の価格上昇の原因

最近、米の価格が上昇しているのを感じている方も多いでしょう。これは異常気象や需要の急増が大きな原因となっています。猛暑や冷夏などの気候変動により、米の品質が低下したり、収穫量が減少することが少なくありません。さらに、「米がなくなるかも」といった不安から、買い溜めをする人が増えたことも、価格を押し上げる一因となっています。特に家庭での米の消費量が多い場合は家計への負担が大きくなってしまいます。

 

今後に注目?対策となるスマート農業技術とは?

スマート農業技術とは、最新テクノロジーを活用して農業を行うことで、AI、IOT、ドローンやセンサー技術などを使用します。作物の状態をリアルタイムで監視し、最適な施肥や灌漑(かんがい)の実施、その他作業の自動化などが実現できます。

スマート農業技術の導入により、高齢化の課題や人手不足の課題、食料自給率の安定など多くの課題の解決が見込まれており、生産量の低下の解決にもつながる可能性があります。

消費者ができる対策と行動

 

保存と節約方法で対策

家庭での米の無駄を減らすことも、米不足や価格高騰への対応策として重要です。例えば、炊いたご飯を冷凍保存することで、長期間おいしく食べることができます。ご飯を小分けにして冷凍することで、食べたい分だけを解凍できるため、無駄を減らすことが可能です。また、玄米などと混ぜ合わせることで、白米を節約するといった工夫もできるでしょう。

 

主食米を代替え

他の主食を試してみるのも一つの方法です。パスタやパンなどの穀物製品は、米に代わる手軽な選択肢です。また、栄養面でも優れている高栄養価の穀物として、キヌアや蕎麦の実、オートミールなども注目されています。

これらの食材を取り入れることで、栄養バランスを保ちながらコストを抑えることが可能です。

 

お米農家さんからの直接購入する

地元の農産物直売所やオンライン直販を通じて、地域の農家から直接米を購入することもおすすめです。

直接購入することで、鮮度が高く、価格面でも流通しているお米よりも安く購入できる可能性があります。

また、消費者と生産者の距離を縮め、地域経済の活性化にもつながります。普段スーパーなどで購入している方はぜひ一度ご検討ください。

 

農家さんから直接購入するメリット

一般的に、農家がJA(農業協同組合)を通じて米を販売する際、数%の販売手数料などが発生しています。この手数料は流通費や手続きにかかる費用で、最終的に消費者が支払う価格に反映されています。これに対し、農家からの直接購入では、こうした中間コストが発生しないため、よりお得な価格で購入できる場合が多いのです。特に地元農家の直売所やオンライン販売を利用すれば、流通コストを抑えながら、新鮮な米を家庭に届けてもらうことが可能です。

 

まとめ

本記事では以下の内容についてお伝えしました。

  • 米不足の原因
    異常気象や農業人口の減少が米不足を引き起こしている大きな要因です。
  • 米不足の歴史
    1993年の「平成の米騒動」など、異常気象が米市場に与える影響の大きさが過去にも見られました。
  • 米の価格上昇の理由
    気候変動や需要の急増により、米の価格が上昇し、家庭の負担が増加しています。
  • スマート農業技術の可能性
    ドローンやAIなどの技術革新により、生産性の向上と米不足の解消が期待されています。
  • 消費者ができる対策
    無駄を減らす工夫や他の主食への代替、そして農家からの直接購入が米不足に対応するための有効な手段です。

 

特に価格高騰への対策としても地元農家から直接購入することは、農家さんと直接の交流の機会も生まれ農家さんを支援することにもつながりとてもおすすめの方法です。

些細な選択が将来の米生産を支える大切な力となりますので、ぜひ一度、地元農家からの直接購入を検討してみてください。

  • 投稿カテゴリー:農業